その他
小嶋です。
今日は昨日のお昼に私の地であり、今回の震災で多大な被害を
受けた千葉県旭市への炊き出しについての御報告を致します。
私たちは朝8時30分に店を出て避難所である飯岡保健センターへ
むかいました。前日から仕込んだ大量の食材とともに私たちスタッフと
さらに急きょ参加して頂くことになった成田一の人気製菓店のオーナーパティシエで
あります森下シェフも一緒です。
森下シェフはこのブログをたまたま目にして、わざわざお声をかけて頂いたのがきっかけで
前日の夜に参加が決まり、早朝からたくさんのシュークリームを持参頂きました。
さて、途中忘れものだなんだとやりながら10時前に現地に着きました。
東京からの山田シェフたちは少し先についていました。
大きなマイクロバス一台にはたくさんの有名シェフが店を休んで駆けつけてくれています。
おそらくこんなご時世です。店の調子がいい人なんてほとんどいないはずです。
にも関わらずボランティアでこんなにたくさんのシェフたちが旭に駆けつけてくれたことは
私にとってとても大きな勇気を頂きました。
ほとんどが知った顔ばかりです。久しぶりに会うのがこんな状況で、しかも旭になるなんて
人生わかりません。
近況報告も手短に準備を進めていきます。全員が仕事をするのも初めてなら、この場所で
料理をするのが全員初めて、しかも炊き出しのスタート時間である11時30分まで1時間半しか
ありません。
しかし山田シェフは「まずみんなで被災の現場を見に行こう」と、数名のシェフたちを車に乗せて
海岸沿いを視察しました。「ひどいなあ」とみなさん口ぐちにおっしゃっていましたが、実際一カ月
たってだいぶきれいになった。という話をするとみなさん驚いてらっしゃいました。
さて急いで避難所に戻りこまごました段取りを打ち合わせして11時30分から食事のスタートです。
今回の避難所では現在80人の方々がいらして、ミートソースのパスタ(8種類のトッピングのせスペシャル)と
特別参加の有名ラーメン店の中村屋さんのラーメン、さらには山田シェフの顔であの銀座キムラ屋さんや
紅茶のリプトンさんからの大量の菓子パンケーキ、さらにはシェフたちのチョコレートケーキやその他様々な
御馳走があふれんばかりにセッティングされていました。今回調理施設のない他の避難所2か所には
ローストビーフ入りのパニー二やサラダも配送れました。
さて食事が始まると和やかな中にもみなさん顔は真剣です。そしてお客さんである被災者の方々の顔には
うれしいばかりの笑顔がみえます。なかには涙を浮かべて感謝気持ちを表して下さった方もおられ、
こんな御馳走ありがたいという声を耳にしました。
市の担当の方はたまたま同じ旭二中で、しかも同じテニス部の先輩の方でしたが話を聞くと、被災者の
方たちはほとんど冷たい食事ばかりで、暖かい食事さえ毎食食べられないのが現状だそうです。
山田シェフはそんな人たちを励まそうといつものように面白いことばっかり言っていました・・・・・・
自分にとって一生忘れられない仕事であったといえます。
今回200人近い炊き出しを20~30名のスタッフと様々な企業の御協力をえて実現したわけですが
こんな大掛かりな炊き出しは個人で軽く出来る範疇をゆうに超えています。
やはり山田シェフという人の人徳といいますかひと声かけたら20年以上前ので弟子達が集まり、様々な
協賛や人の輪を作って行動出来る素晴らしさを改めて実感しました。
ただ旭や東北の人たちはこれからも避難所生活が続き、冷たい食事が続くのです。
早く改善されることを祈るとともに今回だけでなくこれからそれを忘れずに自分なりの小さなサポートを
していかなければ、ということも強く感じました。