[スタッフ]小嶋です。

皆さんもニュースや新聞などでもう御存知だと思いますが、
この先マグロの魚獲量の制限がかけられ、品薄からくる、価格高騰が予想されます。
今でもかなり高級感がある食材なだけに、今後キャビアやトリュフ、フォアグラなどの
超セレブな食材の域に入ってしまうかもしれないと思うと、残念です・・・

若い頃からマグロの刺身と、ビールで晩酌するのが、最高の楽しみだった僕ですが、
当時働いていた、リストランテ・ヴィノッキオの、あの山田シェフに、
初めてお寿司屋のカウンターで食べさせてもらい、口にしたのを今でも鮮明に
覚えています。
本物のワサビの香りと、本鮪の脂・・・
あまりの美味しさに飲み込むのをためらい、いったんリバースして、
もう一度味わってしまったほどです。
それまでの、マグロとはまるで違うその品格、旨み、ブーケ・・・
金属バットで、頭を殴られたような衝撃でした。
僕の本マグロ、いや、黒マグロデビューです。

月日が流れ、10年後、クチーナ・トキオネーゼ・青山アクアパッツァから、
COZIMAに変わる時、自分の看板料理を試考して頂いた時、
真っ先に思いついたのは、その本マグロです。
それ以来少しずつ改良を重ね、今の、
“本マグロのタルタル海苔入りコンソメゼリー”
があります。
毎日何食も作っているのですが、常に21歳のあの時の、あの日の気持ちを持って、
お客様にもそのような感激を味わって頂けるように、精進したいと思います。