小嶋です。

丸8年にわたる「クチーナトキオネーゼコジマ青山店」へのご愛顧
誠にありがとうございました。
思えば1999年9月1日にイタリアより帰国してすぐ現在の店の前身
青山アクアパッツァのシェフに就任し、早10年が経ちます。
今回はこの節目の年に千葉への移転を決めた理由をお話ししたいと思っています。


理由の一つは「食材と環境」です。
毎日築地通いをしていましたが、そのことを通してさまざまな食材に触れ
感性を高める努力をしてきたつもりです。
その一方で時々送られてくる千葉の実家で父の作る野菜の生命力、香りの
強さ、新鮮さがもたらす野菜本来の力強さを感じていました。
そういえばイタリア修行時代も朝一番でローズマリーやセージなどの
ハーブ摘みから始まり、野菜もものによってはオーダーが入ってから
採りに行ったり、、、、というレストランもあり、そんな環境にどこか
憧れや理想を抱いていたのだと思います。
今回移転する富里市は野菜の出荷量が全国2位で、更に野菜の質もすばらしい
ものがあります。
農家の方が朝採れたばかりの野菜を直売所に運び、誰でもすぐにその野菜を
手に入れられる環境があります。驚いたのは、ルコラ、二色ラディッシュ
ズッキーニ、クレソン、コールラビなど普段使っている西洋野菜もふんだんに
あるということです。
今回店を開く場所は、緑も多く、乗馬クラブに併設されたところです。
大きな窓から景色を望みながらゆったりとした気分で千葉の
この地で昇華されたトキオネーゼを以前より小規模ながらお客様一人一人に
心を乗せた皿をお届けしたい、そう思ったからです。


「クチーナトキオネーゼ」は1995年以来14年(青山アクアパッツァ時代より)
守られた大切な看板です。
千葉だったら「千葉ネーゼ??」とも考えましたが14年間この看板を支え続けた
スタッフの人たちやこの名前をつくられた日高シェフ、高柳オーナーに
敬意を表したいと思い看板は変えずとの結論に達しました。
オープンまでのこの数週間は私自身がどのようにこの新しい店を作っていくのかを
このブログで皆様にご覧いただきたいと思っています。
乞うご期待下さい