小嶋です

富里に来て3カ月がたちました。
引っ越しの後新店舗のオープンを済ませ、駆け足の
3か月でした。生活のリズムも大幅に変わり、やっと少し
だけゆとり、というか慣れによって、このリズムになじんで
きたところです。
毎日料理をしながら強く感じるのは、ここの野菜の素晴らしさと
この素晴らしい環境の中で料理ができることへの幸福感です。
東京時代から築地通いをしていましたし、各産地からもおいしいといわれる
野菜をとっていました。しかしながら築地にある野菜の鮮度が
必ずしもピカ一というわけでもありませんし、産地から送られる
ものは、さまざまな理由で多めにとって冷蔵庫で保存しなければ
なりませんでした。その時の天候やその他の理由でほしいものが
手に入らないことも多くあり料理の一番核となる素材集めには
いつも苦労していました。
お客様に本当にいいコンディションの野菜をお出ししたい・・・・・
青山時代は常にそう考えていた自分がありました。

ある時、コジマ ケイさんというシェフに出会いました。
その方はモンテカルロにあるあのアランデュカス率いるルイ キャーンズ
という三つ星店で日本人ながらスーシェフをしていた方で、その方と
素材について話している時に聞いたのは、その店では夜仕事が終わった時点で
冷蔵庫には人参が一本か2本しか在庫が残らないようにしていて毎朝入荷
する野菜でその日の営業をまかなう・・・・というものでした。

その話は私の脳裏を離れることなく常に頭の片隅にありました。
南青山時代のコジマでは各セクションからの注文を私が確認して
野菜のとりすぎで在庫がでないよう調整していたぐらいです。
しかしあれだけ大きな店舗となるとお客様の数も多くなかなか理想
どおりにはなりませんでした。

今回の店舗ではキッチンは自分とキムラのみです。普段の営業はほとんど
自分ひとりでこなしています。手が足りないながら野菜の回転は結構うまく
いっています。
農家の加瀬さんや赤海さんという産直販売所の方との出会いによって
毎日入荷してくる野菜たちは100パーセント2日で消化していてしかも
抜きたて野菜ばかりです。
こんな恵まれた環境をもっと生かしてお客様に還元したい、その思いから生まれた
真の名物メニューが
富里野菜と生ハムパルメザンチーズのスパゲッティー
です。
10アイテム以上の野菜をパスタをゆでる7分間で生からパスタと同じ鍋で
ゆで上げ、野菜とセモリナ粉のいい香りのする湯であげたパスタと野菜に、
生ハムとパルメザンチーズ、黒コショウ、エクストラバージンオイルをかける・・・・・
というものです。
ちなみに現在雑誌ハナコの最新号に出ていますのでお時間のある方はごらんに
なってみてください。

今日は長くなってしまいましたが、新メニュー誕生秘話の第二弾として次回につづき
ます、お楽しみに・・・・・・・・