小嶋です。

 みなさんは一日に牛乳をどれくらい消費しますか?毎日欠かさず飲む方、ヨーグルトやチーズが好きな方、お料理によく使う方、もしくは全く苦手な方もいらっしゃるでしょう。食に携わる者にとって、食に関するニュースは人事に思えないほど敏感になります。今日は牛乳について、心を痛めるあるニュースとともに書きたいと思います。
 最近新聞やテレビで紹介された牛乳の大量破棄について、ご存知の方も多いと思います。生産過剰と消費の低下が原因で、約一千トン(1リットルパック×100万本)もの飲料用牛乳が処分されたという話しです。このニュースに、めまいがしそうになるくらいのショックを受けたのは、ボクだけではないはずです。牛乳離れが叫ばれている昨今、その需要レベルと反比例するように供給が過剰になっています。大量にお乳を出す“スーパーカウ”と呼ばれる種類の牛をたくさん育て、搾乳しなければお乳が悪くなるので絞るだけ絞り、飲料だけでは賄えないので加工品をたくさん作り、とうとう加工品保存庫もいっぱいになり、飲料用の牛乳の売り上げも伸び悩み・・・そんな悪循環の結果、大切に育てたはずの牛を殺し、牛乳や加工品を処分することになるとは・・・。
 これは何も牛乳だけの話しではありません。飽食の日本で様々な食べものが無駄にされている問題は、今に始まったわけではありません。でもボクは今日、このニュースによって改めて考えさせられました。1本の牛乳があれば、1個の卵があれば、死なずにすんだ人たちが世界にたくさんいること。口にするものがなくて骨と皮だけになって死んでいく子供たちの、その骨でさえ、カルシウムが足りなくてボロボロになっていること。
 食べものを大切に、自然の恵みを大切に・・・という言葉がどれほど世間に氾濫しても、ひとりひとりの気持ちがなければ、実行しなければ意味がありません。COZIMAでも、もっと牛乳を使ってみようと、ふと思いました。デザートにもっと取り入れたり、料理に使ったり・・・。COZIMAで消費する牛乳が少し増えたからといって、もちろん日本の牛乳消費量のパーセンテージが動くわけではありません。でも、また今日も牛が一頭殺されて、大量の食べものが捨てられて、世界のどこかで小さな子供が動けなくなる現実を思うと、何もせずにはいられません。
 食べものを扱う仕事であるからこそ、もっとその大切さを感じてほしい。ボクは今朝、そんな気持ちを込めて、若いスタッフたちにこのニュースの話しをしたのでした。
 休み時間、ちょっと行ってきます、と言って近くのコンビニに牛乳を買いに行くスタッフの姿がありました・・・