小嶋です。

 
 今日は、パスタ料理「柔らかく蒸したタコと少し辛いアラビアータのリングイネ」をご紹介したいと思います。

 元々は、ナポリ漁師料理が始まりのこの一品。

 以前アクアパッツァ時代のメニューの一つに「タコのおぼれんぼう風」と言う料理がありまして、このメニューのトマトソースの余りをまかないに使ってパスタを作るのが、僕にとって1番の楽しみで・・これが忘れられないくらいおいしかったのです。

 イタリアから日本に帰って6年後、あの時のまかないを改良してお客様に食べてもらいたい、と言う思いからメニュー化する事に決定したのです。しかし、納得のいく味に仕上がるまでの道のりはとても長かったのです・・・
 まず、タコのぬめりを取るために塩で揉み、肉たたきでタコをたたき、タコの繊維を壊し柔らかくします。それからが大変でした。タコを“蒸す”と言う工程に、悪戦苦闘の日々が続きました・・・・・圧力釜で蒸したり、そのまま蒸して見たりetc・・「夢にまでタコが出てきたのを覚えてます(笑)」でも、試行錯誤を繰り返すうちに、とてもよい方法を見つけたのです!!それは、香味野菜のスープ(にんじん、玉葱、セロリ)と一緒にタコを蒸すのです!!強火だとパサパサしてしまうので、弱火でゆっくりゆっくり5〜6時間かけて火を通す事で、柔らかいタコに仕上げることが出来たのです!!
 
 イタリアでは、このような調理をする時に、スープの中にワインコルクを2〜3個入れます。イタリアではおまじないの意味があるそうで(実際ちゃんとした効果があるかは定かではないです。)コルクが入っていると、おいしく料理が出来るそうです。実際僕も試してみると、あら不思議!?入っていると本当に抜群のものが仕上がるのです。入れないと同じように作っても、「あれっ!?」スタッフ一同顔を見合わせてしまう事があります(笑)。コルクの力って本当かもしれませんね!!

 COZIMAではタコは、築地でも“ピカイチ”の神奈川県佐島沖のものを、築地で仕入れています。麺は、魚介類と愛称バッチリのリングイネという平打ちの細長い麺を使い、アラビアータソース(鍋に、オリーブオイルとニンニクと唐辛子を入れ香りを出し、そこにトマトを入れ煮込んだものです。)で絡め、白髪ネギ、針生姜を上に盛り出来上がり。見た目は、タコ、トマトと言う感じですが、とてもクラシックで、いい意味でおおざっぱ!!僕の修行時代から、大事にあたためてきた1品です。